囲炉裏を囲んで新鮮な料理が味わえる「囲炉裏処 すみしょう」。

鮎が有名な厚木市ですが、実は厚木市でおいしい鮎料理を食べられるお店はそれほど多くありません。今回お伺いした囲炉裏処「すみしょう」さんでは、カウンター前のいけすで元気な鮎が泳いでいる、鮎料理が自慢のお店です。店舗責任者の渡邉さんに、お店やお料理のこだわりを聞いてきました。

すみしょう 店長/ 株式会社アイネックス フードサービス事業部 マネジャー
渡邉 五郎 Gorou Watanabe

静岡県出身。漁業協同組合で勤めた後、脱サラして飲食の世界へ。料理人として数々の店舗を経験。現在は株式会社アイネックスのフードサービス事業部マネージャーを務め、「すみしょう」の店舗責任者としてお店を運営している。人との関わりを大切にする、明るく気さくな人物。

海の世界から料理の世界へ。釣った魚が提供できるお店を作りたい。

-渡邉さんはすみしょうさんの店長なんですか?

渡邉さん:店長です。株式会社アイネックスはグループ会社でして、他にもいろいろな事業をやっているんです。今は飲食店だけで3店舗、商店街にあるゴーゴーカレーと隣に一福ってうどん屋さんがあるんですけど、どちらも一緒にやってるんですよ。向こうはFCで、ここは独自のお店なんですけど。

-アイネックスさんの中で、渡邉さんが店長として勤められているんですね。

渡邉さん:そうですね。ここの店長と、フードサービス事業部のマネージャーをやっています。

-すみしょうさんはオープンからどれぐらい経たれたんですか?

渡邉さん:今、4年ですね。

-渡邉さんはオープンからずっと店長なんですか?

渡邉さん:そうです。僕はオープンからずっと携わってる感じです。

-オープンのきっかけを教えてください。

渡邉さん:オープンのきっかけは、お店のオーナーがすごく釣りが大好きで、釣った魚をどうしようかというところで、ちょっとお店やってみようかって。それで誘われてやることになったんです。お店のコンセプト決めていく中で、個室を使ったお店にして、接待だったりに使えるようなお店を作りたいねって。あとは鮎ですね。厚木は鮎料理を出しているお店が本当少ないので、鮎料理をやってみようかって。だからお店では主に鮮魚と鮎の料理を出しています。

-渡邉さんはずっと料理人なんですか?

渡邉さん:15年ぐらいやっています。

-料理は元々お好きだったんですか?

渡邉さん:そうですね、元々僕は漁業協同組合で働いていたんですよ。そこで脱サラしてこの世界に入ったんです。なので、魚がすごい好きっていうのがあって、この世界に入って……元々魚を捌けるっていうところがあったんです。出身が伊豆の下田なんで、実は厚木じゃないんですよ (笑) 。

-そうだったんですか。じゃあ厚木に来られたのはいつ頃?

渡邉さん:15年ぐらい前ですね。

-どうして厚木に?

渡邉さん:元々は僕、西麻布で働いてたんですよ。焼き鳥屋さんだったりいろいろやってたんですけど、ちょっとそっちが疲れちゃったなっていうのと、実家が伊豆なんで帰れる範囲にいたいっていう。本当に家庭の事情です (笑) 。

-鮎の仕入れはどちらでされているんですか?

渡邉さん:鮎は養殖業者さんがあって、相模川から引いたものを仕入れてます。鮎って最初はかなり小さいサイズなんですよ。解禁が6月からで9月末で終わるんです。骨ごと食べられるから、ちっちゃい鮎の時の方がみんな美味しいって食べますね。

-小さい時の方が美味しいんですね。

渡邉さん:そうなんですよ。ちっちゃいのときの方が結構みんな食べます。

-お店のいけすでたくさん鮎が泳いでますよね。

渡邉さん:泳いでますね。あの鮎をそのまま使って、塩焼きだったり唐揚げだったり、あとは炊き込みご飯、釜飯ですね。

-いけすの鮎をそのままお店で食べられるんですね。Instagramでも毎日「本日のお料理」を上げられているのを見てます。

渡邉さん:使いまわしもあるんですけどね (笑) 。

-それでも毎日その日の新鮮なものを出し続けるのって難しくないですか?

渡邉さん:そうなんですよ。でも鮮魚って常に違うものだから、やっぱ刺身一つにしても違うんですよ。

-魚料理以外にも、お肉の料理も上げられてますよね。

渡邉さん:肉も結構やっていて、言ってしまえば何でもあるんですけど……。でも大体お客様は、サラダ食べて魚食べて肉食べてって、コース的な感じなんですよね。フリーのオーダーで頼むお客さんも大体そういう感じで頼んでくれるんですよ。最後に肉で〆るみたいな。

-色んなお料理を提供されてるんですね。

渡邉さん:大体おすすめが多いですけどね。「何かおすすめ出して」ってお客さんから言われることが多いです。

お客さんが囲炉裏を囲んで楽しめるお店。

-今さらなんですけど、お店のコンセプトを決める時に囲炉裏にした理由は?

渡邉さん:囲炉裏を使った料理ってあんまり見ないなっていうのと、高級感が出ますし、なんかこう……囲炉裏を囲んで酒飲むのって楽しいよねって。冬だと囲炉裏で鍋もつつけるんですよ、そういうのってすげえ楽しいなと。

-お客さんに楽しんでもらえるようにってことなんですね。ランチとディナーで料理は変わりますか?

渡邉さん:ランチはランチメニューだけで、夜のメニューは一切出さないです。よっぽど予約があって「鮎の塩焼き食べたい」とか、そういう時はやったりするんですけど、滅多にやらないです。

-入る時少し緊張してしまうお店のたたずまいですよね。新規のお客さんでも問題ないですか?

渡邉さん:来てください、全く問題ないです。クーラーボックスがバンバン置いてありますけどね (笑) 。今日も釣ってきた魚がバンバン入ってます。釣りがね、とにかく好きなんですよ。釣ったものを売りたいなって。

-ぜひ行きます。渡邉さんが釣りに行かれるんですか?

渡邉さん:休みの時とか、週に1、2回行って、それをお店で出している感じです。僕も行ったりオーナーも行ったり、お客さんも行ったりとか。いろんな人が行ってくれて、それをもらえるだけ買ったりとか。

-実際に釣られてお店で提供されるってすごいですね。あまり他のお店では聞かないです。

渡邉さん:あんまり無いんじゃないかな。やっぱり行ってる時間がないですよね、この商売してると。でも僕は大体週1ぐらいは行ってます。

-ずっと釣りがお好きなんですか?

渡邉さん:とにかく釣りが好きなんです (笑) 。

-結構釣れます?

渡邉さん:日によります。駄目なときはやっぱり買うんですけど、よければ1週間位ずっとその魚だったりとかもありますね。

-へえーー! ある程度狙いを定めて釣りに行かれているんですか?

渡邉さん:そうですね、時期によって魚が全く違うので。冬のおいしい魚と夏のおいしい魚って全然違いますから。その時の旬の魚を釣るのが基本です。

-今の時期の旬の魚はなんですか?

渡邉さん:いまはカンパチ等ですかね。これからはブリ、後はスルメイカとか。夏が一番魚種が多いですね。冬はどっちかと言えば鍋料理の魚、金目鯛だったりが多いかな。

-カンパチだと結構なサイズですよね。

渡邉さん:でかいですよ、6キロ、7キロぐらいあります。

-結構大きいですね。それを一本釣りされるんですね。

渡邉さん:僕はそこは滅多に行かないですけど、たまに行きますね。

-基本は関東で釣りを?

渡邉さん:関東です。もちろん仕入れは築地からもしてるんですけどね。

-なるほど。お客さんが釣った魚を捌いてもらえるお店って中々聞かないですよね。

渡邉さん:厚木でやってる所はないんじゃないですかね。厚木って海がないから、海に面している所だと結構あるんでしょうけど。

ーそれじゃあお客さんは一見さんというよりも、常連さんが多いんですか?

渡邉さん:常連さんが多いですね。オープンからずっと来て頂いている方が。

ーディナーは予約必須なんですか?

渡邉さん:週末は予約の方がいいですね。特に団体さんや個室を使いたい方は絶対予約してもらった方がいいです。でもコロナで減りましたね、接待とかも。すごい減った。

ーコロナ感染者がまた増えてきてますもんね……。一番大変なのはお店を開けられないことですか?

渡邉さん:開いてる時にお客さんが来ないのが一番つらいです。キャンセルもすごく多いですね。

ーお魚って新鮮な状態で準備されてますよね。その準備もされてて、キャンセルになってしまうとキツイですよね。

渡邉さん:なので、熟成方法っていうのを考えるんですよ。加工してランチで提供したり、そういうことをいろいろ考えてやるんだけど……ただもう時代は、熟成した方が全然うまいんで。釣った魚をその日食べても全然美味しくないんですよ。腐りかけが一番うまい。

ーそうなんですか!?

渡邉さん:ギリギリが一番美味しいです。アジとか光物は新鮮なその日が一番うまいんですよ。ただ他の魚に限ってはやっぱり3日4日置かないと全然おいしくない。カンパチなんて2週間ぐらいはそのまま置いてます。脂のりが全然変わってくるんです、甘みが増してくる。それを腐らせないように、キッチンペーパー変えたり血抜きだったり、いろいろ方法があって、真空パックしたりとか、いろいろやって熟成させるんです。捌く時も上の表面を削りながら捌いたり、いろいろやり方があるんです。

ーじゃあ、素人が釣った魚をその日に食べずに試しに熟成させるなんていうのは?

渡邉さん:無理です無理です、腹当っちゃいます (笑) 。

ープロがやるから初めてできることなんですね。

渡邉さん:どこまで行けば駄目なのかっていうのがわかんないじゃないですか。それが大体、触った感触でわかるようになるんです。「一番うまいよ」って常連さんには出しますけど、ギリギリのものは普通のお客さんには怖いからあまり出さないようにしてます。

ーそれも、すみしょうさんの売りですね。

渡邉さん:そうそう、熟成させてるっていうのはうちの売りなのかな……。すぐには絶対魚を出さないですね。本当に美味しいところを見極めるのがすげえ大事です。

ー長年の経験からできることですよね。

渡邉さん:漁師の人たちと仲が良いので、いろいろ聞いたりすることも多いですし、聞いたものを実践してみて、実際どうなのか必ずやります。

お店を長く続けることが、地域活性化につながる。

ー囲炉裏やお料理の他にも何かこだわりがあれば教えてください。

渡邉さん:こだわりって言ったら……あとは僕の人間力かな (笑) 。

ーすごくお話ししやすいと感じていました (笑) 。

渡邉さん:堅い奴じゃないんで (笑) 。僕料理人というよりも、やっぱ接客の方なんですよね。なので、お店の味も当たり前なんですけど、接客だったり話したり、そういうことをすごい大事にしてます。昔からそうかな、結構いろんなお店をやってたので。焼き鳥も打てるし、焼き鳥屋さんも長い間やってたから。

ーそうだったんですね。すみしょうさんで焼き鳥も食べられるんですか?

渡邉さん:言ってもらえればやります。言われればちゃんと仕込みますので。

-それは裏メニュー的な?

渡邉さん:そうですね。

-事前に言えば作ってもらえるんですね。

渡邉さん:うちのお店は結構お客さんから「この料理食べたい」って言われることが多いんです。食べたい魚とか鍋とか、言ってもらえれば何でもやりますよ。例えばカニとか伊勢エビとか、そういうのも全部。

-お客さんからしたらすごい嬉しいですね。

渡邉さん:食べたいものを食べられるっていうのはいいですよね。

-そのためにもまずは渡邉さんと仲良くなる必要があったりするんですか (笑) ?

渡邉さん:いやいや、どなたでもやりますよ。お電話いただければ (笑) 。

-良かったです (笑) 。何か新しいことをチャレンジしていく予定はありますか?

渡邉さん:お店を大きくしようかなと思ってます。今うちの社員が寿司学校に行っていまして、お寿司のお店を出そうかなと思ってるんです。

-新規店のオープンですね。

渡邉さん:すみしょう関係無しに自分自身の立場から言うと、今年2店舗出して、5年後には10店舗20店舗ぐらい出せたらなって。基本的に僕がやりたいのって、国民食のお店をやりたいんですよね。専門食ではなく国民食。

-どうして国民食なんですか?

渡邉さん:お客さんが飽きないからですかね。要するに、長く店舗を続けられるっていうのが一番大きいです。店舗を続ける事は地域において、就職できる先やアルバイト先を提供できることになるので。店舗を作る上で地域活性が一番大事だと思ってます。厚木は学生さんが多いし、働ける場所の創出と言うか、大事にしたいですね。もちろん厚木以外でもそうなんですけどね。

-お店を出す上で地域の活性を大事にするという視点は初めてお聞きしました。

渡邉さん:それがないと面白くないですよね、人口も増えないし。住みたい街ナンバーワンと言っても、飲食店が盛り上がってなかったらどうかなと思いますし。盛り上げるってのが一番ですよね。

-そのためにもお店を長く続けることが大切なんですね。

渡邉さん:働ける人を増やす、そうすると人が増える。それは一企業としても思ってます。

-学生さんからしたらありがたいですよね。

渡邉さん:そうそう、働き方が変わってきているんで。昔と学生さん達でも、もちろん僕らもそうなんだけど、ニーズに合った働き方ができればなあと思ってます。飲食店だと中々難しいですけどね。最近だとロボットを使ったりするお店もありますけど、それだと人間味が無くなって、今の若者の価値観がなくなってしまうと思うんです。そういうところを成長させてあげたいって思いますし。ちょっと時代と逆行してること言ってますけどね (笑) 。

ー渡邉さんは人との関わりを大事にされてるんですね。

渡邉さん:すごい大事ですね。学生さんに絶対言うことがあって「将来必要になるような大人になりなさい」って言うんです。それがなかったら生きてく上で意味ないよってそこまで言っちゃうんだけど。やっぱり、必要とされるような人間になってほしいから、結構厳しく言うんです。

ー中々そうやって厳しい事を言ってくれる人も少なくなってますよね。

渡邉さん:そうですね。だから卒業した子達がみんな遊びに来てくれるんです、お酒飲みに。嬉しいですよね。

ー嬉しいですね。最後に、渡邉さんの将来的なビジョンがあれば聞かせてください。

渡邉さん:僕個人で言うと、個人のお店を持ちたいかな。ちっちゃい居酒屋とか、食堂とか、ああいう感じのお店を持ちたいです。昔ながらの中華屋さんみたいな。こう、おじいちゃんになってもラーメンを作り続けてるとか、本当それぐらいの感じ。

ー地域で愛されるようなお店ですね。

渡邉さん:そうですね、ちっちゃいお店でいいんです。長く続けられるお店であれば。

ー取材のご協力、ありがとうございました!

 

囲炉裏処 すみしょう

住所:神奈川県厚木市中町3-1-14
電話番号:046-244-0416
営業時間:月~金曜日、祝日、祝前日 11:30~翌0:00 / 土曜日 17:00~翌0:00 ※ランチは平日のみ
定休日:日曜日
ホームページ:https://sumisyouhonatsugi.owst.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/sumisyou_honatugi/?hl=ja

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