ベトナムのオリジナル雑貨を販売する電設会社「株式会社弘陽電設」。

身の回りに当たり前にある電気。電気が無い世界を考えると、本当に恐ろしいですよね……。今回取材させて頂いた『弘陽電設』さんは、電気設備工事を中心とした事業で快適な社会づくりに貢献されています。言わば私たちの生活の基盤を支えてくれている、無くてはならない存在です。ベトナムに支社を持ち、教育支援やオリジナルブランド『KOYOshop』の展開もしているそう。代表取締役の井上社長に詳しくお話を伺いました。

株式会社弘陽電設 代表取締役
井上 拓紀 Hiroki Inoue

1985年厚木市生まれ。厚木東高校卒業後、日本工学院八王子専門学校で電気工学を学ぶ。卒業後はビルメンテナンス会社で設備メンテナンスに1年間従事。父の経営する「弘陽電設」も手伝う傍ら、2006年に入社。専務取締役を経て2016年に代表取締役に就任。100年ビジョンを掲げ、電気工事を中心としながら、ベトナムで作る「KOYOshop」などのオリジナルブランドも展開している。

微力と無力は違う。一つでも多くの社会貢献をするために取り組んできたこと。

——まず初めに、井上さんのご経歴から聞かせてください。

井上さん:地元は厚木の上荻野で、上荻野小学校から荻野中学校に通ってました。ずっと地元にいまして、高校は普通科の厚木東高校に入りました。昔から親父の仕事をやっぱり見ててですね、穴掘りに一緒に行ったりだとか、人手がいるから手伝ってくれっていってやらせてもらって。自分自身、その時から電気工事にすごく興味が湧いていたんですよね。親父がやってたっていうところもあって電気工事に関わりたいという想いが自分の中にありましたね。 

——昔から電気工事の仕事に興味があったんですね。

井上さん:電気工事を昔からやりたいなっていう思いはありました。ただ、中学校の時にはオリンピック選手になりたいとか、釣りが好きだったから釣りがやりたいって思ったりもしたんですけどね。兄貴がいまして、美容師を目指すというところで家は継がないっていう話から、僕がやるんだろうなっていう雰囲気があってですね。それで、高校は普通科へ行ったんですけど、卒業して専門学校行って、電気工事をやっていこうと思いまして。日本工学院八王子専門学校で勉強させてもらって。当時は本当に学校の授業よりも国家試験をすごく取って、在学中に11個ぐらい国家資格を取ったりもしました。

——11個ってすごい数ですね。

井上さん:将来役に立つなと思って取りましたね。それから専門学校を卒業して1年間、ビルメンテナンス事業をしている会社に就職して、設備メンテナンスの仕事をやりました。最初はこの会社大きいし、この会社で出世できたらいいなと思ってたんですけど、ビルメンテナンスの仕事って何も起こらないことが一番良いことなので、そこにやりがいがあまり生まれなくてですね、結局休みの日も親父の手伝いをしたり何なりをして、バイトをしながら1年間過ごしてました。社会人2年目から弘陽電設でお世話になることになりまして、専務と丸6年ぐらい前から代表をさせていただいております。


——いろんなボランティア活動などを積極的にされてるとお聞きしてます。中々こういうって活動って参加できなかったりしますけど、動機があったりするんですか?

井上さん:一つは、こんなこと言うと腹黒いかもしれないですけど、やっぱり良いことをすれば良いことが返ってくるじゃないすか。結果的に自分のためにもなりますし、知人が増えることだっていいことですし。因果律っていうことを最近大事にしてて、重複しちゃうんですけど、悪いことしたら悪いこと、良いこととしたら良いこと、それが結果良いことであればどこかから回り回って自分に返ってくるなっていうのが非常にあると思うんですね。綺麗ごとでうまくいく世の中じゃないと、嫌いになっちゃうんで。綺麗ごとである世の中でいたいなっていうのはあったんです。

——ベトナムでの活動についても聞かせてください。

井上さん:機会があってベトナムに行った時に、日本人だからって言ってすごく良く扱ってもらった経験があったんです。今まで先人たちがベトナムに対してすごい良いことをしてくれたから、きっと日本人ってだけですごく良くしてくれるんですよね。でもそれも、僕らは恩恵を受けるだけじゃなくその先に繋いでいかなきゃいけないと思って活動を始めました。

——自分だけではなく、この経験を繋いでいこうということですね。

井上さん:会社でよく微力と無力は違うという話をするんですが、無力は何もしないことで微力は少しでも何かしたら結果大きな有力になってくるという。うちのような会社が海外に支店を設けて地域貢献をしたり、社員にもベトナムの子が働いているんですけど、そういう子たちがしっかり成長してベトナムの国のためになっていくのは、微力だけどいずれ有力になるかもしれないなって。うちに来た子たちが日本の良い仕事だったり良いマインドを持って帰ってもらってまた次の国とかに繋いでいけたら、それってすごい社会貢献だなと思いますので。

——「KOYOショップ」というベトナムのオリジナル雑貨も販売されてますよね。

井上さん:ベトナムのハノイの街全体が加工物を作っている会社なんです。その一つの会社に受注が入ると村全体がここに集まってきて作っているんです。天然の植物を使って一つひとつ丁寧に手作りされてます。ゆくゆくはこの雑貨を活用した照明器具作っていきたいですね。KOYOっていうメーカーとして、うちの会社もメーカーと呼ばれるようになっていきたいです。

会社を通じて、社員が成長し技術を磨ける環境。

——改めて電気工事の事業について聞きたいのですが、具体的にどんなことをされてるんですか?

井上さん:基本的にはお客様は企業様向けが多いです。お客さんだと、DCMグループのDCMホーマックさんの地下水を飲み水に変える工事の電気工事だったり公共工事ですね。学校であったり、この前は消防署の新築設備の工事をしました。新築のマンションやテナントビル、最近だと太陽光関係が多いです。太陽光の自家消費、売るんじゃなくて自分で作って自分のところで使う。それは今全国的にやってます。あとはアコーディア・ゴルフさんの関東の指定業者がうちなんですよ。なので割と今でも神戸、六甲の方に行ったりだとか、割と関東圏のそういう大きめの工事だとうちが大体お見積もりさせて頂いたり、東証一部上場の会社さんと直接6社ぐらいやり取りがありますね。

——基本的には電気設備関係であれば依頼すればやっていただけるんですね。

井上さん:そうですね。ただ電気の中でも結構ジャンルがあるので弊社では広く深くを大切にしています。真のプロの技術者集団を目指していますので、広く浅くだと駄目なんです。なおかつ自分で工事をしなければプロの技術者とは呼べないと思います。自分で工事をして、しっかり工事を終わらせる、それが一番の価値だと感じます。ちょうど今度、KOYOカップっていう社内の技術競技大会があるんですよ。

——KOYOカップってどんなことをするんですか?

井上さん:コンパネ1800×1800、1.8メーター1.8メーターパネルって言われてるものがあるんですけど、指示してる図面を作ってそれを時間内に終わらせる大会です。本来であれば1人でやるんですけど、2人一組で参加するんです。自分自身も昔、神奈川県の大会で優勝したり経験や技能コンクールの全国大会にも出場したこともあって、その経験で自分自身も技術が伸びましたので、社員の教育の一環としてそういうことをやった方が良いなって。

——社内の技能イベントのことだったんですね、面白そうです。年1回開催されるんですか?

井上さん:そ優勝賞金は今年はちょっと下げちゃったんすけど、”年に1回10万円だ!”みたいな感じでやってて (笑) 。それがある意味競技予選になってて、この後技能コンクールの全国大会があるんで、優勝した多くの1人から出したいなと思ってますね。

——そういった大会が社内で開かれるのは、社員の皆さんも結構楽しいんじゃないですか?

井上さん:結果として社員自身が強くなるじゃないですか。仮にうちを辞めたとしても、技術があれば他の会社さんで食いっぱぐれることもないでしょうし。仕事が忙しい中みんな17時18時で仕事が片付いてから夜21時ぐらいまで練習するので大変なんです。でも、やっぱどれだけ仕事に熱を入れてるか、技術を磨きたい人間かどうかも見えますし、普段の現場作業だけだと中々できないじゃないですか。綺麗にやる、早くやるっていうことは、単純に自分の技術が上がる。何でもそうですけど自分が成長すると楽しいはずなので。

地球のための会社、地球益が取れるような大きな会社にしていきたい。

——電気設備工事だったりKOYOショップだったり、色々な事業されてると思うんですけど、また何か新しい事業を考えられていたりするんですか?

井上さん:今はやっぱり深堀営業でやっていこうかなと思ってます。うちの会社も上場したいと思ってまして、上場するためには、やっぱり建設業だけでは駄目で価値がつかないんですよね。ありふれてる業種だと厳しくて、IT系だとかはそれだけ50倍とかってつくんですけど、建設業だとついて7倍8倍なんです。だから建設業に加えて教育にも力を入れていきたいです。この業界は教育が中々うまくいかなくて、若い子方が定着しないんです。そういうところをうまくできたら社会貢献に繋がる良い仕組みにもなるかなと。

——良い仕組みができあがるといいですね。

井上さん:後は、しっかりベトナムで事業をしていきたいです。成功という話ではないですが、うちで働くベトナムの子達が国に戻ったときに、胸張って仕事ができるようにやっていきたい。電気工事ってすごく成長してるから、それを怖がらずに挑戦することが一番大事なのかなって。

——最後に、今後の展望や目標があれば教えてください。

井上さん:うちの会社、100年後ですね火星の開発をしてるんですよ (笑)  あとよく言ってるのは、KOYOリゾートっていうのを作ろうって言ってるんです。僕ディズニーランドがあんまり好きじゃないんですけど、でもディズニーランドに行ってる人たちってスッゴイ楽しそうじゃないですか。あれってすごい社会貢献だなと。そう考えてたら、うちの会社でもKOYOリゾートっていうのを作りたいなって (笑) 。 KOYOリゾートは、乗ってもらったら乗ってもらった分だけ、使用してもらえば使用した分だけ、地球が回復する仕組みなんです。そうすれば、地球益を取れる会社になるということですので、自分や会社だけじゃない、はたまた日本だけじゃない世界だけじゃない、地球のための会社になればその会社って潰れないよねって。そうやって楽しんでもらって、なおかつ楽しめば楽しむほど、地球が綺麗になる。そんな仕組みが作れたらいいですね。

 

株式会社弘陽電設

住所:神奈川県厚木市上荻野3513-2
TEL:046-241-7400
HP:https://www.kouyo.co.jp/

KOYOshop

オンラインショップ:https://www.koyo-shop.jp/
Twitter:https://twitter.com/OshopKoy
Facebook:https://www.facebook.com/koyoshop.5040

あわせて読みたい記事

一流の治療でカラダを健康にしてくれる鍼灸整体サロン「musubi」。

2022年07月25日

唯一無二の魅力があふれる上荻野の古民家cafe「鐵馬厩」。

2022年06月27日

Follow us