今年の6月にオープンした「HATIS COFFEE」では厚木産の米粉を使ったグルテンフリーの焼菓子や、本格コーヒーが味わえます。「HATIS COFFEE」を運営する永山さんは「Bar HATIS」のバーテンダーでもあり、美味しいカクテルやコーヒーをお作りになっているそう。お店について、永山さんについて、いろいろお話をお聞きしました。
ハティスプロダクト合同会社 代表社員 / HATIS COFFEE / Bar HATIS
永山 智仁 Tomohito Nagayama
1980年東京都生まれ。19歳よりレストランやバーラウンジにて修行し、洋酒・カクテル・ワイン・サービスを学ぶ。その後IT通信関連企業へ転職し、アウトソーシング事業のマネージャーとして構築や運営に携わる。2010年に独立し、カフェバー「Bar HATIS」創業。2018年にハティスプロダクト合同会社を設立し代表社員に就任。2022年6月、本格コーヒーとグルテンフリーの焼菓子が味わえる「HATIS COFFEE」をオープン。
Barからそとの世界へ、本格コーヒーを発信していく。
——永山さんのご出身は厚木ですか?
永山さん:出身は東京です。小田急沿線でお店を開こうと考えていたのと、ご縁があって2010年に厚木でBarをオープンしました。
——そうだったんですね。Barでもコーヒーを出されていたんですか?
永山さん:Barではコーヒーも提供しておりまして、コーヒーやカクテルのカフェバーというスタイルでやっています。お店を開いて2年が経った頃、2011年に東日本大震災が起こり、今の業態ではいずれ立ち行かなくなると危機感を覚えまして、お店をやりながらでも何か自分から発信していきたいと思ったんです。そこで、当時お店で人気だったコーヒーをパッケージングして「HATIS COFFEE」を商品化しました。
——Barで提供していたコーヒーを商品化されたんですね。
永山さん:それから小売店に並べたりインターネットで販売したりしていくうちに、ふるさと納税の返礼品に取り上げていただいたり、厚木市内のアンテナショップに置かせていだいたりと少しずつ積み重なり、今年の6月ですね、コーヒーに加えて地元の食材を使ったコンセプトショップを開こうと「HATIS COFFEE」をオープンしました。お店では厚木産のはるみ米を使った焼菓子と、ご当地コーヒーを提供しています。
——地元の食材が味わえるショップなんですね。どうして地場のものを?
永山さん:地域から他県へ発信していく時に、自信を持って地場のものをPRすることで、お店のことも地元のことも知っていただく機会が増えていきますし、厚木に足を運んでもらえる良いサイクルが生まれるんじゃないかなと。地域のものを地域の方々が食しているかと言えば、聞いたことはあっても食べたことはない方もいらっしゃるでしょうし、地場の食材を知っていただいて、地域の方々にも興味を持ってもらえる、”あそこのお店楽しいね”と喜んでもらえる、そんな店舗を作りたいと思ったんです。
——商品の企画やアイディアの発想はどこから来るんですか?
永山さん:捉え方や考え方は会社員だった頃の経験が大きいですね。会社員として働いていた頃に一通りビジネスマネジメントは勉強しましたので、その頃のアイディアを具現化している感じです。
——もともとは会社員として働かれていたんですね。会社員を退職されてBarを開店したのは何か転機があって?
永山さん:かなりハードワークだったのと、地方への転勤の話が出たことでしょうか。地方を巡業するように回って定年を迎えることが、自分の人生でアリなのかナシなのか、考えました。会社員時代もそうでしたが、幼い頃から自分はスペシャリストではなくジェネラリストだと思っていたので、実現できるんじゃないかなって。
——なるほど。もう少し詳しく教えてもらえますか。
永山さん:一つのことでトップという形を目指すことは難しいけれど、あらゆる要素を一つにまとめて、多角的に考えながら具現化することには向いているなって中学生の頃に感じていたんです。周りにいる勉強ができる人や運動が得意な人と自分とを比べた時に、自分は不得意ではないけれど彼らには敵わないと思ったんですね。だけど、総合力では自分でも何か形にできるんじゃないかなって。”バーテンダーとして生きていました”というよりも、私自身の形としてジェネラリストがあって、アイディアを実現しているんです。もちろん、プロとして越えなきゃいけない水準はあるので修行もしましたし、経験を積んでやってきていますが、こういった考え方が根本にはありますね。
——すごくかっこいいですね。
永山さん:幼いころから描いていたものが一つひとつ形になることを喜びにしてやっていますね。
カクテルを作るように、コーヒー豆の特性を生かしてブレンドしたコーヒー。
——「HATICE COFFEE」について教えてください。それぞれのブレンドコーヒーの特徴はどんなところですか?
永山さん:「とびきりあつぎブレンド」はbarの創業当初から出来上がっているブレンドで、苦すぎず酸味が抑えめでまろやかな味わいのコーヒです。”毎日飲んでも飲み飽きない” ”一日に何杯も飲める” をコンセプトに作っています。浅煎りや深煎り、産地特性など、コーヒーのトレンドは本当に様変わりしていきますけど、その地域の特性はあるんですよね。他所の地域で流行ったから、メディアで取り上げられたからといって、人が美味しいと思う味覚はそう変わらないものなんです。厚木でお店を構えるにあたって、地元のみなさんに愛されるブレンドはなんだろうと実現したのが「とびきりあつぎブレンド」です。
——飲みやすいコーヒーなんですね。「なつかしレトロブレンド」は?
永山さん:「なつかしレトロブレンド」は昔の喫茶店風と言いますか、昔懐かしい喫茶店風の味わいを再現して作ったブレンドコーヒーです。深煎りで香り豊か、しっかり焙煎しているので味にボリューム感があります。
——流行りのカフェのコーヒーというよりも、昔の喫茶店風の味わえると。「大人の赤ワインブレンド」についてもいいですか。
永山さん:「大人の赤ワインブレンド」の特徴は5種類の豆を使用して作るところですね。バーテンダーがカクテルを作るように、お豆の特性を生かしてブレンドして、今までとは違ったコーヒーが作れないかって発想から生まれたんです。複雑な赤ワインの味わいを、お酒を使わずにコーヒー豆だけで表現できないかと、ワインを飲みながら考えました(笑)。
——へぇー、面白いですね(笑)。 通常のブレンドコーヒーは何種類の豆を使うものなんですか?
永山さん:基本は3種類ですね。3種類のコーヒ豆を使うと、ボディ感・酸味・コクがおおよそ調合できます。赤ワインのエレガントな味わいを表現するために、プラスアルファの要素を入れて5種類になりました。あと、すべてのブレンドで共通している特徴がアフターミックスという製法です。技術が必要になりますが、焙煎して仕上がったものを合わせることでお豆の特性を引き出しやすいんです。
——甘酒も販売されているんですね。
永山さん:海老名のいづみ橋さんの甘酒です。定期的に新宿の伊勢丹さん等のデパートでコーヒーと日本酒を合わせたカクテルを作っているんですけど、そこで縁があって、海老名の泉橋さんをご紹介いただけて、コラボ商品を販売したり、イベントに参加したり、交流させていただいてます。
——日本酒とコーヒーのコラボレーションはなかなか聞かないです。いろんな縁があるんですね。
永山さん:そうですね、すべて縁ですね。
——さいごに、永山さんのこれからの目標を聞かせてください!
永山さん:自分からもっと、この厚木という地域の発信をしていきたいです。自分が培ってきた技術や商品を厚木ブランドとして発信して、皆様にもっと厚木という場所を知っていただいて、またお越しいただけるようなサイクルが作り出せたらいいなと。私ひとりの力だとわずかなものなので、一つひとつの取組みに共感してもらえたり、面白がってくださる方々と一緒に盛り上げていきたいですね。
種類が豊富なグルテンフリーの焼菓子。毎日店内で焼いて提供されているそうです。季節の焼菓子もあり、見た目もかわいらしいくギフトにぴったりです。
マフィンとともに人気のスコーン。こちらも種類豊富。ランチにもおやつにも嬉しい焼菓子。
HATIS COFFEE
住所:神奈川県厚木市妻田南1-21-35
TEL:046-206-4662
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日
ショップ:https://coffee.hatis.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/hatiscoffee/
Twitter:https://twitter.com/atsugi_hatis
Facebook:https://www.facebook.com/hatiscoffee
Bar HATIS
住所:神奈川県厚木市寿町3-7-15
TEL:046-244-5528
営業時間:19:00~2:00
定休日:火曜日
HP:https://bar.hatis.jp/